概要

ROAS(ロアス/Return On Advertising Spend/広告費用対効果)は、広告費に対してどれだけの売上、または定義したコンバージョン価値を得たかを表す指標です。広告の売上効率を見るもので、利益率そのものではありません。[1][2]

ROASの計算方法

売上を基準にする場合は、「広告に帰属する売上 ÷ 広告費 × 100」でパーセント表示にします。Google広告では、売上だけでなく、成果に割り当てたコンバージョン値と費用の関係を確認する使い方もあるため、分子の内容を先に決めます。[1][2]

仮に、同じ期間の広告費が20万円、広告に帰属する売上が60万円なら、「60万円 ÷ 20万円 × 100 = 300%」です。広告費1円に対して3円の売上を得た計算になります。

ECサイトの購入金額を記録した値と、問い合わせ1件に仮に割り当てた金額は、同じ「コンバージョン値」でも意味が異なります。Googleは取引ごとに異なる値と、成果に同一の値を設定する方法を説明しているため、管理画面の値が実際の売上額なのかを確認します。[2]

ROASの数値と採算性の関係

**ROASが100%でも、黒字とは限りません。**売上基準の100%は売上と広告費が同額という意味で、商品原価やその他の費用をまだ差し引いていないためです。

次は、粗利率を30%とし、広告費以外の固定費や追加費用を考慮しない、単純化した計算例です。粗利は売上から商品原価を差し引いた金額として扱い、ここでは広告費を含めていません。

項目

計算

金額・比率

広告に帰属する売上

仮定

60万円

粗利

60万円 × 30%

18万円

広告費

仮定

20万円

粗利から広告費を差し引いた残額

18万円 − 20万円

−2万円

広告費を粗利で賄うための比率

1 ÷ 0.30 × 100

約333%

売上効率が300%でも、この例では粗利だけで広告費を賄えず、2万円不足します。約333%は広告費だけを賄うための簡易的な境目で、実際の黒字ラインを示すものではありません。別の費用や返品なども考慮する事業では、自社の条件で採算を確認します。

ROAS・ROI・CPAの違い

売上の効率、利益を含めた投資効率、成果1件の費用は、それぞれ違う問いに答える指標です。同じ「費用対効果」という日本語が使われても、分子と分母を読み分ける必要があります。

指標

主に確認すること

区別の要点

ROAS

広告費に対して得た売上・価値[1][2]

売上基準なら原価や他の費用を差し引いていない

ROI

投入した費用に対する利益の割合[3]

Googleの説明でも利益と費用の範囲を伴う。計算条件を確認する[3]

CPA

コンバージョン1件あたりの費用[4]

成果の件数を見る指標で、1件の売上の大きさは別に確認する

たとえば、購入件数が同じでも購入金額が変われば売上効率は変わります。一方、購入金額が大きくても原価が高ければ、利益の評価は別になります。CVRなどの件数・率と一緒に見ると、数値が変わった理由を分けて考えやすくなります。

ROASを実務で扱うときの注意点

比較では、売上・価値の定義、成果の帰属、費用と期間をそろえます。Googleも、クリックから成果までに時間がかかると、直近の結果が実際より悪く見える場合があると説明しています。[1]

  • 売上額と推定価値を混ぜない:購入金額を使った数値と、問い合わせに設定した金額を使った数値は区別します。
  • 媒体ごとの売上を単純合算しない:同じ注文を複数の広告へ帰属させていないか確認します。
  • 費用範囲を確認する:媒体の広告費だけか、制作・運用などの費用も含むかを明示します。
  • 今期の売上と将来の見込みを分ける:継続購入の予測を含む価値を、今期の実売上と同じ意味で読まないようにします。

GA4などのサイト分析と照らし合わせる際も、集計条件が同じかを確かめます。高い比率だけを追うと、売上総額や利益の確認が抜けるため、目的に合わせて他の指標も併用します。

参考文献・出典

  • Supervisor
    supervisor

    桑田 陽介

    代表取締役

    Web制作・運用・改善に20年以上携わり、WordPress、CMS構築、SEO、AWSなど、Webサイトの企画・制作から公開後の運用まで幅広く担当。実務経験にもとづき、本記事の内容・表現・技術情報を監修しています。

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