概要

ECサイトとは、インターネット上で商品やサービスの注文・購入などの電子商取引(EC)を行うWebサイトを指す、実務上の呼び方です。

「ECサイト」という言葉自体に、単一の技術標準や統一された公式サイト定義があるわけではありません。一方、経済産業省は1998年度から電子商取引に関する市場調査を毎年実施しており、日本国内のBtoC-EC、BtoB-EC、CtoC-ECの市場規模などを調査しています。[1]

ECサイトでは、商品・サービスの情報を掲載するだけでなく、商品選択、カート、注文、決済、顧客情報、配送、在庫など、取引を成立・運営するための機能を組み合わせます。

用語

読み方

分類

主な目的

代表的な機能

ECサイト

イーシーサイト

EC・ネットショップ

インターネット上で商品・サービスを受注・販売する

商品、カート、注文、決済、顧客、配送、在庫等

ECサイトとは

インターネット上で取引を行うためのWebサイト

ECはElectronic Commerce(電子商取引)の略称として使われます。

日本の公的統計資料では、BtoC-EC、BtoB-EC、CtoC-ECといった区分で電子商取引市場が整理されています。[1]

一般にECサイトは、こうした電子商取引をWeb上で実行するための販売・受注サイトを指します。

企業の商品紹介サイトが「商品を知ってもらう」ことを中心とするのに対し、ECサイトではユーザーが商品・サービスを選び、注文手続きを進められることが大きな違いです。

「ネットショップ」「オンラインストア」との違い

「ECサイト」「ネットショップ」「オンラインストア」は、実務ではかなり近い意味で使われます。

厳密に統一された呼び分けがあるわけではありませんが、「ECサイト」はシステム・事業全体を説明するときに使われやすく、「ネットショップ」「オンラインストア」は消費者向けの店舗として表現するときに使われることがあります。

どの呼び方でも、実際に必要な機能は商材、販売方法、顧客、物流、決済、運用体制によって変わります。

ECサイトの主な機能

商品・サービス情報

商品名、価格、画像、説明、在庫、バリエーションなどを管理し、ユーザーが購入対象を比較・選択できるようにします。

物販だけでなく、デジタルコンテンツ、予約、役務、定期販売など、販売するものによって必要な項目は異なります。

カート

ユーザーが購入したい商品を一時的にまとめ、数量や購入内容を確認する機能です。

複数商品、送料、割引、税、配送方法などを扱う場合は、カート内で最終的な購入条件を正しく計算・表示する必要があります。

注文・チェックアウト

購入者情報、配送先、支払方法などを入力し、注文内容を確定する部分です。

日本のインターネット通信販売では、申込みの最終確認画面で一定の事項を表示し、消費者が申込み内容を容易に確認・訂正できるようにすることが求められています。消費者庁の特定商取引法ガイドでは、申込み段階で一定の事項を表示することと、最終確認画面で顧客が申込み内容を容易に確認・訂正できるようにすることが案内されています。[2]

決済

クレジットカード、ID決済、銀行振込、代金引換など、販売方法に合わせた決済手段を用意します。

実際に利用できる方法は、ECプラットフォーム、決済代行会社、商材、契約条件などによって異なります。

注文・在庫・配送管理

注文後には、受注確認、入金状況、在庫引当、出荷、配送状況、返品・キャンセルなどを管理します。

ECサイトを構築するときは、購入画面だけでなく「注文が入った後に社内でどう処理するか」まで設計する必要があります。

ECサイトの主な形

「ECサイトの種類」に統一された技術標準があるわけではありませんが、実務では販売場所や構築方式によって整理されることがあります。

自社ECサイト

企業・ブランドが自社のドメインやWebサイトとして運営するECサイトです。

デザイン、コンテンツ、顧客体験、外部システム連携などを自社方針に合わせて設計しやすい一方、集客、運用、保守なども自社側で考える必要があります。

ShopifyのようなSaaS型ECプラットフォームを利用する場合も、自社ブランドのオンラインストアとして運用する形であれば自社ECに含めて扱われることがあります。

ECモール

複数の販売者が参加する大きなECプラットフォーム上に出店する形です。

自社ECとモールはどちらか一方だけを選ぶとは限らず、商品や販売戦略によって併用される場合もあります。

BtoC・BtoB・CtoC

ECは取引する主体によっても分けられます。

区分

主な意味

例

BtoC-EC

企業から消費者への電子商取引

一般消費者向けオンラインストア

BtoB-EC

企業間の電子商取引

法人向け受発注サイト

CtoC-EC

個人間を中心とする電子商取引

フリマ・マーケットプレイス等

経済産業省の電子商取引市場調査も、国内のBtoC-EC、BtoB-EC、CtoC-ECの市場規模を対象としています。[1]

同じ「ECサイト」でも、BtoCとBtoBでは必要な機能が大きく異なることがあります。

例えばBtoBでは、顧客企業ごとの価格、掛け払い、見積、承認、最小発注数などが必要になる場合があります。

ECサイトと法律・表示

特定商取引法

日本で消費者向けのインターネット通信販売を行う場合、ECサイトの表示は特定商取引法と関係します。

消費者庁の特定商取引法ガイドでは、インターネット上のWebサイトも通信販売広告に含まれ、販売業者等が通信販売を行う広告では、販売価格、送料、支払時期・方法、商品の引渡時期、返品に関する事項など、法令上の表示事項が定められていることが説明されています。[3]

また、購入を確定する直前の最終確認画面にも表示上の規制があります。[2]

そのため、ECサイトはデザインやシステムだけでなく、「販売条件をどこに、どのように表示するか」まで含めて設計します。

個人情報

ECサイトでは、注文・配送のために氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどを扱うことが一般的です。

個人情報を取り扱う事業者は、個人情報保護法および個人情報保護委員会のガイドラインを確認し、利用目的、安全管理、第三者提供など、自社の取扱いに応じた対応が必要です。個人情報保護委員会は、個人情報保護法に関する通則編ガイドラインを公開しています。[4]

ECサイトの構築方法

ECサイトは、必要な機能や事業規模に応じてさまざまな方法で構築できます。

SaaS型ECプラットフォーム

Shopifyなど、ECに必要な機能をクラウドサービスとして利用する方式です。

サーバーやEC基盤を一から構築する負担を抑えやすく、テーマやアプリ、外部サービスを組み合わせて機能を拡張します。

オープンソース・パッケージ

EC向けのソフトウェアをサーバーへ導入し、自社要件に合わせて構築・カスタマイズする方式です。

自由度が高い一方、サーバー、アップデート、セキュリティ、障害対応などを誰が担当するかを決める必要があります。

フルスクラッチ・独自システム

既存EC基盤では対応しにくい業務要件に合わせて独自開発する方式です。

大規模な基幹システム連携、特殊な受発注、複雑な価格・権限・承認などがある場合に検討されますが、開発だけでなく継続的な保守・改修体制も必要です。

ECサイトを作る前に決めること

ECサイトは「商品ページとカートを作れば完成」ではありません。先に事業・業務側の条件を整理すると、必要なシステムを判断しやすくなります。

  • 誰に販売するか
  • 何を販売するか
  • 商品数・SKU数
  • 在庫をどこで管理するか
  • どの決済方法が必要か
  • 送料をどう計算するか
  • どこから出荷するか
  • 返品・キャンセルをどう扱うか
  • 定期購入があるか
  • 会員機能が必要か
  • 店舗POSと在庫を共有するか
  • 会計・基幹・CRM・物流システムと連携するか
  • 誰が商品登録・受注処理・顧客対応を担当するか

ECサイトでは、Web制作よりも受注後の業務設計が複雑になることがあります。

プラットフォーム選定は、見た目や初期費用だけでなく、運用フローと将来の拡張まで含めて判断することが重要です。

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