概要

AIエージェントとは、与えられた目標に向けて状況を判断し、必要な行動を進めるAIシステムを指す言葉です。Google Cloudは、AIを使って利用者の代わりに目標を追求し、タスクを完了させるソフトウェアシステムとして説明しています。[1]

注目するのは、回答の文章だけでなく「次に何をするか」です。Google Cloudの説明には、状況の把握、計画、ツールによる情報取得や操作などが含まれます。目標を受け取り、行動の結果を確かめながら処理を進める、という流れで理解できます。[1][2]

文章の生成と、目標に向けた行動の違い

たとえば、会議の日程調整を考えます。「候補日の案内文を作る」だけなら文章の生成です。一方、参加者の予定を調べ、候補を選び、承認を得てからカレンダーに登録する、という仕組みを設計すれば、情報の確認と行動を含む例になります。これは違いを理解するための仮の例です。

この例では、候補を選ぶ判断、登録を実行する操作、登録してよい範囲を分けて考えます。自動で文章を作れることだけを根拠に、別のシステムを操作できる、利用者の確認を省ける、と判断することはできません。

生成AI・LLM・RAGとの関係

生成AIは、文章・画像・音声・動画などのコンテンツを生成するAIという広い概念です。NISTの用語集も、生成する内容にこれらを含めています。ここで見ているのは、どのような内容を生成するかです。[3]

LLMは大規模言語モデルというモデルの種類です。Google Cloudは、LLMをエージェントの構成要素として紹介し、言語の処理や生成を担うと説明しています。モデルを、目標・ツール・行動を含むシステム全体と同一視しないことが大切です。[1]

RAGは、外部の情報を取得して生成に組み合わせる方式です。NISTは、モデルと情報検索の仕組みを組み合わせ、取得した関連情報を文脈として渡す構成を説明しています。これは情報を参照して回答を作る方法の説明です。[4]

整理すると、生成AIは生成するAIの概念、LLMはモデル、RAGは外部情報を使う方式、エージェントは目標に向けて判断・行動するシステムです。LLMやRAGを組み込む構成は考えられますが、文章を生成することや資料を検索することだけで、同じ概念になるわけではありません。[1][3][4]

呼び方と自律性には幅がある

定義の置き方も確認が必要です。Google Cloudは、利用者の代わりに目標を追求するシステムとして説明します。一方、Anthropicは、LLMが処理の進め方とツールの使い方を動的に決める仕組みを、手順をあらかじめ定めたワークフローと区別して「エージェント」と呼んでいます。[1][5]

このように、説明の対象や区分は発行体によって異なります。「エージェント」という名称だけで、任せられる範囲は決まりません。どこまで自動で進めるか、人に確認を求める場面、操作できる対象は、実際の仕組みと利用条件で確かめます。

Agentic AIとの区別

Google Cloudは、AIエージェントを特定のタスクに取り組む構成要素、Agentic AI(エージェント型AI)を複数のエージェントを調整して広い目標を進める仕組みとして区別しています。これは同社の説明であり、業界全体に共通する定義として扱うものではありません。[2]

また、Anthropicは、エージェントが処理を進める途中で人に判断を求めたり、確認のために停止したりする構成を説明しています。[5] 自律的に進めることと、すべてを無確認で任せることは分けて考えます。導入を検討する際は、目標と、許される行動と、止める条件を具体化します。

参考文献・出典

  • Supervisor
    supervisor

    桑田 陽介

    代表取締役

    Web制作・運用・改善に20年以上携わり、WordPress、CMS構築、SEO、AWSなど、Webサイトの企画・制作から公開後の運用まで幅広く担当。実務経験にもとづき、本記事の内容・表現・技術情報を監修しています。

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